住宅の外壁塗装で4度塗りっていいの?
住宅の外壁塗装では、基本的に塗料を3回重ね塗りをしていることを知らない方も多いのではないでしょうか。
塗料の3度塗りは外壁の仕上がりと機能性を確保するために、非常にバランスの優れた施工方法です。
しかし、外壁塗装の見積もりを依頼してみると塗装業者から4度塗りを提案されて
- 4度塗りをすると外壁の耐久力は向上する?
- どんな外壁には4度塗りをしなければならないのか?
といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
この記事では、住宅の外壁塗装における4度塗りについて以下の項目を紹介しています。
- 住宅の外壁塗装は下塗り・中塗り・上塗りの3度塗りが基本
- 住宅の外壁塗装で4度塗りが必要なケース
- 塗装回数を増やしても耐久性が向上するわけではない
この記事を読み終えると、外壁塗装でなぜ4度塗りが必要な場合があるのかを理解できます。
それでは、みていきましょう。
住宅の外壁塗装は下塗り・中塗り・上塗りの3度塗りが基本
住宅の外壁塗装では、下塗り・中塗り・上塗りの3度塗りが基本です。
塗料の種類によっては下塗りや中塗りが不要な場合もあり、2度塗りで済むこともあります。
ここからは、住宅の外壁塗装で必ず行われる下塗り・中塗り・上塗りについて詳しく紹介していきます。
下塗り
外壁塗装における下塗りの役割は塗装をする面の小さなひび割れなどを補修して、塗料が密着しやすい下地を作ることです。
下塗りではプライマーやシーラーといった中塗りや上塗りとは違った塗料が使われます。
下塗りが適切に施工されていないと、高価な塗料で仕上げても数年で塗膜の浮きや剥離などが発生することも。
外壁と仕上げの塗料をキレイに密着させるためにプライマーやシーラーで下塗りをして、下地面の状態を塗装に適した状態にする必要があるのです。
中塗り・上塗り
塗装面への下塗りが完了したら、その上から中塗りと上塗りをしていきます。
中塗りと上塗りでは仕上げとなる同じ塗料を使って塗装をします。
同じ塗料を2回重ね塗りするのは
- 塗装の仕上がりを均一にする
- 下塗り材の色を消す
- 厚い塗膜を形成して雨風や紫外線から外壁を守る
上記のような目的があります。
「上塗りを厚くすれば1回で済むのではないか」と思われるかもしれませんが、重ね塗りをしなければ必ず塗りムラができてしまいます。
住宅の外壁塗装で4度塗りが必要なケース
住宅外壁塗装では下塗り・中塗り・上塗りの3度塗りが基本ですが、下記のケースでは中塗りを2回行う4度塗りが必要になることもあります。
- 塗装をする外壁材の劣化が激しい場合
- 塗装面が下塗り材を吸収しやすい材料の場合
それぞれのケースについて、詳しく紹介していきます。
塗装をする外壁材の劣化が激しい場合
塗装をする外壁材の劣化が激しい場合は、4度塗りが必要になる可能性があります。
紫外線や雨による損傷が激しいと下塗りの塗料を外壁材が吸い込んでしまい、中塗り・上塗りが密着しやすい塗膜を形成できません。
- 前回の塗装から20年以上経過している外壁
- 紫外線の多い地域の南西面の外壁
上記のような外壁は劣化が激しい可能性があるため、下塗りを2回行う4度塗りが必要になることがあります。
塗装面が下塗り材を吸収しやすい材料の場合
塗装面が下塗り材を吸収しやすい材料の場合は、4度塗りが必要になることがあります。
モルタルの壁は特に下塗り材を吸収しやすいため、2度塗りをしなければ塗膜の形成ができません。
モルタルの外壁塗装を行う場合は下塗り材を2度塗りする4度塗りが必要になる可能性が高いので、注意しておきましょう。
塗装回数を増やしても耐久性が向上するわけではない
下塗り材の吸い込みが激しい場合は4度塗りが必要になることもありますが、無意味に塗装回数を増やしても耐久性が向上するわけではありません。
3回の仕上げ塗りを勧めてくる業者は
塗料メーカーの規定値より薄く塗料を希釈している 他の現場で余った塗料を使い切りたい 施工の手間を増やして工事費を高くしたい
上記のような悪徳業者である可能性があります。
下塗り1回の4度塗りを勧められた場合は、他の業者から見積もりを取って条件を比較してみましょう。
まとめ
住宅の外壁塗装では、下塗り・中塗り・上塗りの3度塗りが基本です。
意味もなく塗装回数を増やしても、耐久性が向上するわけではないので注意しましょう。
しかし、外壁材の劣化が激しい場合や下塗り材を吸収しやすい場合は、下塗りを2回行う4度塗りが必要になることもあります。
塗装業者から4度塗りを提案された場合は見積もり内容が妥当であるか判断するために、相見積もりを取って条件を比較することをおすすめします。