住宅の外壁塗装で使われる9種類の塗料とは?特徴と費用を紹介!
住宅の外壁塗装をする際に、色や質感にはこだわっているのに塗料の種類は業者任せにしていませんか?
塗料の種類による特徴を理解していないと
- すぐに塗装が劣化してたった数年で塗り替えが必要になった
- 材料費は安くてもトータルの工事費が予算を大幅にオーバーしてしまった
といったことになりかねません。
この記事では、住宅の外壁塗装でよく使われる塗料の種類と特徴について紹介していきます。
それぞれの塗料の特徴を理解して、ご自分のイメージに合ったものを選びましょう。
住宅の外壁塗装で使われる塗料9種類の特徴と費用相場
住宅の外壁塗装で使われる塗料の種類と相場は下記のとおりです。
塗料の種類 |
費用相場 |
耐用年数 |
アクリル塗料 |
1,000~1,500円/㎡ |
5~8年 |
ウレタン塗料 |
1,800~2,500円/㎡ |
7~10年 |
シリコン塗料 |
2,500~3,500円/㎡ |
10~13年 |
ラジカル塗料 |
3000~4,000円/㎡ |
12~15年 |
フッ素塗料 |
3,500~5,000円/㎡ |
13~15年 |
無機塗料 |
4,000~5,500円/㎡ |
15~20年 |
ナノテクノロジー塗料 |
2,500~5,500円/㎡ |
12~15年 |
光触媒塗料 |
3,500~5,500円/㎡ |
10~20年 |
アクリル100%塗料 |
3,800~4,500円/㎡ |
13~15年 |
ここからはそれぞれの塗料について、特徴を紹介していきます。
アクリル塗料
アクリル塗料は耐久性が低くこまめな塗り替えが必要なので、最近の新築では使われることが少ない塗料です。
仕上がりの発色がよく単価が安い塗料なので、短期間だけ使用する建物に向いているでしょう。
ウレタン塗料
ウレタン塗料は樹脂を使った塗料で、屋根や外壁以外にも木や金属など様々な部分に施工できます。
弾性があり伸縮性に優れているので、傷やひび割れに強いという特徴があります。
しかし、ウレタン塗料は紫外線により硬化しやすいため、他の塗料に比べると耐久性は高くありません。
シリコン塗料
シリコン塗料はアクリル系の塗料で、最近までの外壁・屋根の塗装では多くの住宅で使われてきました。
耐用年数と価格のバランスが非常に優れている塗料ですが、最近ではよりコストパフォーマンスが高いラジカル塗料が主流になっています。
ウレタン塗料とは違い弾性は高くないので、地震や台風などで外壁に力が加わるとひび割れが起こりやすい塗料です。
ラジカル塗料
ラジカル塗料は耐久性が高い塗料で、2010年代から多くの企業が開発を進めています。
メーカーによって呼び方は様々で、ラジカル塗料、ラジカル制御型塗料、ラジカルフリー塗料などと表記されることも。
ラジカルとは塗料に含まれる酸化チタンに紫外線が当たると発生する物質で、塗膜の劣化を促進させてしまいます。
ラジカルの発生を科学技術によって抑制することで、高い耐久性を実現させた塗料がラジカル塗料なのです。
フッ素塗料
フッ素塗料は耐久性が高い塗料で、建物以外にもフライパンやアイロンなどの日用品にもよく使われています。
フッ素塗料は炭素とフッ素が強く結びついており、紫外線による劣化が起こりにくい塗料です。
短期間でのメンテナンスに向いていない大型の施設でよく使われており、東京スカイツリーの塗装もフッ素塗料でされています。
無機塗料
無機塗料は耐久性が高い塗料で、ガラスや石のような無機物が主な成分です。
アクリル、シリコン、フッ素などの有機塗料には劣化の原因となる樹脂成分が含まれていますが、無機塗料にはほとんど入っていません。
有機物はカビや苔の栄養になるので、無機塗料は汚れが発生しづらいというメリットもあります。
ただし、無機塗料の塗膜は非常に硬くなるため、不慣れな業者が施工をするとすぐにひび割れや剥離が起こるので注意が必要です。
ナノテクノロジー塗料
ナノテクノロジー塗料は、塗膜をつなぐ役割のある樹脂をナノレベル(10億分の1)の単位まで小さくした塗料です。
樹脂をナノレベルまで小さくすることにより、下記のメリットがあります。
- 汚れが塗膜に付着・侵入しにくい
- 紫外線に強く色あせしにくい
- 速乾性がある
光沢のないマットな塗装面が特徴で、ナノテクノロジー塗料にはツヤのある製品はありません。
光触媒塗料
光触媒塗料は植物の光合成のように、光を利用して有害な物質を分解できる塗料です。
本来は塗膜を劣化させるはずの紫外線を利用できるため、一般的な塗料の2倍ほどの耐久力を持っています。
塗膜だけでなく周囲の空気にある汚れを除去する機能もあり、環境に優しい塗料だということが分かりますね。
アクリル100%塗料
アクリル100%塗料は添加剤や可塑剤を使わずに製造されており、100%アクリルでできた塗料です。
長持ちしない通常のアクリル塗料よりもはるかに高い耐久性を持っており、長期にわたって光沢をキープできます。
また、外壁塗装は3回ほど重ね塗りをするのが一般的ですが、塗膜が丈夫なアクリル100%塗料は1回だけで済む場合もあります。
塗装回数が少なくなればトータルの工事費や材料費が安くなるので、塗料の単価だけで選ばないようにしましょう。
まとめ
外壁塗装は塗料によって、色や質感だけでなく耐用年数や材料費も大きく異なります。
それぞれの塗料の特徴を理解して、ご自宅に最適なものを選びましょう。
また、塗料の種類よりも大切なのが塗装業者選びです。
どれほど優れた塗料を使っても、職人の経験不足や手抜き工事によって塗装の寿命は大きく縮みます。
外壁塗装をする際は必ず相見積もりをして、実績が多く信頼ができそうな塗装業者を選びましょう。