住宅の外壁塗装における下地処理の重要性とは?下地処理の種類と費用相場を紹介!
住宅の外壁塗装工事では、下地処理が最も重要な工程としている業者もあるほど大切な作業です。
しかし、建築業界で働いていない人にとって下地処理という言葉は、あまり馴染みがないのではないでしょうか。
- 下地処理って具体的にどんな作業をするの?
- 下地処理をしないと塗装や建物にどんな影響がある?
上記のような疑問を持っている方のために、この記事では下記の項目について解説していきます。
- 住宅の外壁塗装で下地処理が重要な理由とは?
- 住宅の外壁塗装で行う下地処理の方法4種類と費用相場
- 下地処理が十分に行われていないと起こる4つの症状
この記事を読み終えると、住宅の外壁塗装における下地処理の重要性が理解できます。
それでは、みていきましょう。
住宅の外壁塗装で下地処理が重要な理由とは?
ここからは、下地処理について下記の項目を紹介していきます。
- 下地処理とは
- 下地処理の目的とは
- 下地処理が不足しているどうなるのか
それぞれについて詳しくみていきましょう。
下地処理とは
外壁塗装における下地処理とは、塗装を行うために下地面の状態を整えることです。
塗料の種類に応じて、下地面を下記のように調整していきます。
- ケレンや清掃で下地面の汚れを落とす
- 高圧洗浄で目粗しをして下地の表面積を増やす
- ひび割れを補修して下地面を平滑にする
地処理は塗装工事の基礎となる作業のため、最も重要な工程として捉えている業者も少なくありません。
下地処理の目的とは
下地処理の目的は、塗料と下地の密着性を高めることです。
汚れやひび割れのある下地よりも、平滑で清掃された面の方が塗料が密着しやすいというのは簡単に想像できるのではないでしょうか。
塗料と下地の密着性が高いと、見た目にムラがなく耐久性に優れた外壁塗装ができます。
下地処理が不足しているどうなるのか
外壁塗装工事の基礎となる下地処理が不足していると、塗装の見た目や耐久性が悪くなります。
汚れやひび割れの上から塗装をすると、下地と塗膜が密着せずに剥がれや浮きが生じやすくなるからです。
高価で機能性の高い塗料を使っていても、下地処理が悪ければ数年で雨漏りにつながってしまうことも。
塗装を長持ちさせるためには、高価な塗料を選ぶよりも下地処理をしっかりと行ってくれる塗装業者を見つける方が大切です。
住宅の外壁塗装で行う下地処理の方法4種類と費用相場
下地処理の種類 |
単価 |
高圧洗浄 |
200円~300円/m2 |
ケレン |
500円~2,000円/m2 |
クラック補修 |
1,500円〜2,500円/m2 |
シーリング補修 |
500円~1,200円/m |
ここからは、それぞれの下地処理について詳しく紹介していきます。
高圧洗浄
高圧洗浄は、電動の高圧洗浄機を使って下地面の汚れを除去する下地処理です。
高圧洗浄機の水圧は強力なので、汚れだけではなく古い塗膜も落とせます。
広範囲の汚れを水だけで落とせる高圧洗浄ですが、機械を使うので騒音が出るというデメリットも。
また、水しぶきが飛散するため、隣の家の洗濯物を濡らしてしまったり窓から家の中に水が入ってしまうかもしれません。
高圧洗浄で下地処理を行う場合は、近隣への挨拶を必ずしておきましょう。
ケレン
ケレンとはサンダーなどの電動工具や紙ヤスリなどを使う下地処理です。
鉄部へ塗装をする際の下地処理としてよく施工され、サビを落としたり下地面に凹凸を付けて塗料の密着性を高めるという目的があります。
また、ケレンが塗膜の寿命に与える影響は、塗料の種類や塗り回数よりもはるかに大きいと言われています。
塗装を長持ちさせるためには塗料選びも大切ですが、下地処理をしっかりと行ってくれる業者を見極めなければなりません。
シーリング補修
シーリングには外壁材同士の間にある隙間を埋める役割があり、コーキングとも呼ばれる材料です。
弾力性のある材料ですが紫外線により徐々に硬くなっていき、台風や地震などの揺れでひび割れを起こしやすくなります。
シーリング剤の種類にもよりますが、一般的には10~15年で補修しなければなりません。
補修には打ち替えと打ち増しという方法があり、既存のシーリングを除去するか残しておくかという点で異なります。
クラック補修
クラックとは外壁材のひび割れのことで、放置しておくと下記のように様々なトラブルが発生します。
- ひび割れがどんどん大きくなっていく
- クラックから雨漏りが発生する
- 住宅の内部まで腐食や劣化が広がる
幅が0.3mm以下の小さなクラックであれば、上から塗装をするだけで補修ができることもあります。
幅が0.3mmを超える大きなクラックの補修は、シーリング剤や樹脂を充てんして外壁の隙間を埋めなければなりません。
外壁の種類を問わず地震や台風などによってクラックは発生するので、定期的に外壁の状態を確認しておきましょう。
下地処理が十分に行われていないと起こる4つの症状
下地処理が十分に行われていないと、下記の症状が起こることがあります。
- 色ムラや凸凹が目立って外観が悪くなる
- ひび割れ(クラック)
- 塗膜が下地から剥がれる
- 塗膜と下地の間に空気や水が入り込んで膨らむ
それぞれの症状について、詳しくみていきましょう。
色ムラや凸凹が目立って外観が悪くなる
下地処理が不足していると下地と塗料が密着しにくくなり、仕上がりの色にムラができる可能性があります。
また、浮きのある旧塗膜やクラックの上から塗装をしてしまうと、凸凹の仕上がりになってしまうことも。
住宅の塗装をする機会は10数年に1度しかないので、色ムラや凸凹がある塗装面にはしたくないですよね。
ひび割れ(クラック)
補修していないひび割れの上から塗装をすると、塗膜もすぐに割れてしまうことがあります。
地震や強風によって下地のひび割れが動いてしまうと、密着している塗膜も同時に動いてしまうからです。
外壁のひび割れは雨漏りの原因となるため、建物の寿命を縮めることにもなりかねません。
塗膜が下地から剥がれる
汚れやサビが残ったまま塗装をしてしまうと、下地と塗膜が上手く密着せずに剥離してしまいます。
剥離を防ぐためには、下地の種類や状態に応じて高圧洗浄やケレンで下地調整を行わなければなりません。
また、塗料の乾燥時間を守らずに施工した場合も、塗膜が剥がれてしまうことがあります。
塗膜と下地の間に空気や水が入り込んで膨らむ
外壁のひび割れや傷んだ塗装面の隙間から雨水や空気が入り込むと、内部で水蒸気になって塗膜が膨らんでしまいます。
また、汚れを十分に落としていない下地の上から塗装をすると、内部でカビが発生して塗膜が膨らむことも。
カビや水蒸気の膨張は湿気や気温が高いときに発生しやすいので、塗膜の膨らみは夏場に起きやすい現象です。
まとめ
住宅の外壁塗装において、下地処理は塗料の種類よりも外壁の寿命に影響を与えるほど重要な作業です。
しかし、上から塗料を塗ってしまえば下地面は隠れてしまうので、下地処理を手抜きする塗装業者は少なくありません。
- 打ち合わせ時に下地処理について確認する
- 下地処理の状況を工事写真にまとめてもらう
- 相見積もりをして信頼できそうな業者を選ぶ
上記のポイントを押さえて、下地処理をしっかりと行ってくれる塗装業者を選びましょう。