ベランダや屋上の防水工事の種類とは?費用やメリット・デメリットを紹介!

屋根や屋上から雨漏りが発生すると、内部にまで雨水が浸入して建物の寿命を縮めることにつながります。
建物の寿命を左右するほど重要な屋上の防水ですが、どんな種類があるのかを知らない人がほとんどではないでしょうか。
屋上の防水工事は大きく分けると下記の4種類あり、工法によって耐用年数や費用が異なります。
防水種類 | 耐用年数 | 単価(/㎡) | 一般的な施工箇所 | 特徴 |
---|---|---|---|---|
FRP防水 | 10~12年 | 5000円~ | ベランダ | 軽くて丈夫だが材料費が高い |
ウレタン防水 | 8~10年 | 4500円~ | ベランダ
マンション・ビルの屋上 |
新築・改修工事での採用率が高い |
シート防水 | 10~15年 | 5500円~ | マンション・ビルの屋上 | ムラなく早い施工が可能 |
アスファルト防水 | 15~25年 | 要問合せ | マンション・ビルの屋上 | 歴史が古く実績が最も多い |
防水工事の種類や特徴を理解することで、建物自体の寿命を伸ばすことにつながります。
この記事では、屋上の防水工事に使われる4種類の工法についてメリット・デメリットを紹介していきます。
それでは、それぞれの防水工事について詳しくみていきましょう。
FRP防水
FRP防水は塗膜防水の一種で、温泉施設や宇宙ロケットなどにも使われる工法です。
FRP(Fiber Reinforced Plastic)とは繊維強化プラスチックという意味で、プラスチックをガラス繊維などで補強した素材です。
ここからは、FRP防水のメリットとデメリットについてみていきましょう。
FRP防水のメリット
FRP防水のメリットは以下のとおりです。
- 硬化が早いので、複数の層を施工する場合でも1日で完了できる
- 防水層が軽いので建物への負担が少ない
- 熱や紫外線、腐食などに強い
- 宇宙ロケットに使われるほど水密性が高い
FRPは水密性が高く非常に軽い素材なので、建築物以外にもロケットや自動車のパーツなど幅広い分野で使われています。
FRP防水のデメリット
FRP防水には下記のようなデメリットもあります。
- 伸縮性が低いのでひび割れしやすい
- 施工とメンテナンスにかかる費用が高い
- メンテナンスの頻度が多い
防水層全体の塗り替えは10~12年が目安ですが、トップコートは5~6年でメンテナンスをする必要があります。
また、伸縮性が低いので広い面積の屋上に施工をすると、地震などの揺れで簡単にひび割れが生じる素材です。
ウレタン防水
ウレタン防水とは塗膜防水の一種で、液体状のウレタン樹脂を塗り重ねて防水層を作る工法です。
ウレタン樹脂は硬化すると高い弾力性を発揮するのが特徴で、既存の防水層の上にも施工ができるため改修工事にも多く使われています。
ここからは、ウレタン防水のメリットとデメリットについて解説していきます。
ウレタン防水のメリット
ウレタン防水のメリットは以下のとおりです。
- 既存の防水層の上にも施工ができる
- 防水層が軽く建物への負担が少ない
- 複雑な形状の場所にも施工ができる
液体状の防水材なので、新設・既設を問わず幅広い場所に施工できるのが特徴です。
ウレタン防水のデメリット
ウレタン防水には下記のデメリットがあります。
- メンテナンスの頻度が多い
- 防水層が厚いので施工によるムラができやすい
- 乾燥に必要な時間が長く、工期が長い
ウレタン防水もFRP防水と同様に、5~6年でトップコートを塗り替える必要があります。
また、手作業で分厚い防水層を施工するため、均一性を確保するのが難しい工法です。
シート防水
シート防水とは、下地の上からゴムや塩化ビニル製の防水シートを施工する工法です。
密着工法と機械式固定工法があり、下地や防水シートの種類に応じて施工方法を選ぶ必要があります。
ここからは、シート防水のメリットとデメリットについて解説していきます。
シート防水のメリット
シート防水の主なメリットは以下のとおりです。
- 熱や紫外線に強く耐久性が高い
- シートの厚さが均一なのでムラなく施工できる
- 防水材の乾燥時間が不要で工期が短い
防水シートは液体ではないので、FRPやウレタンのように防水材を乾燥させる必要はありません。
また、厚さが均一なシートを貼り付けていくので、広範囲への施工でもムラができにくい工法です。
シート防水のデメリット
シート防水には以下のデメリットがあります。
- 複雑な形状の場所には施工が難しい
- 機械固定工法では大きな振動音がする
- シートが一体なので、1つの穴が建物全体の雨漏りになることもある
FRPやウレタンのような液体の防水材ではないので、基本的には平らな下地にしか施工ができません。
また、1か所でもシートに損傷が生じると、広範囲での補修が必要になるケースもあります。
アスファルト防水
アスファルト防水とは、合成繊維不織布というシートにアスファルトを含ませて貼り付けていく工法です。
施工方法には熱工法、トーチ工法、常温工法の3種類があり、工法によって費用や工期は異なります。
ここからは、アスファルト防水のメリットとデメリットについて解説していきます。
アスファルト防水のメリット
アスファルト防水のメリットは以下のとおりです。
- 歴史が古い防水工事で実績が多い
- 耐久性が高い
- 防水層の上にコンクリートを施工して歩行に適した状態にできる
アスファルト防水は日本で100年以上前からある工事なので、信頼性が高い工事です。
塗膜防水とシート防水を組み合わせているので、非常に防水性が高い工法であるといえるでしょう。
アスファルト防水のデメリット
アスファルト防水には以下のデメリットがあります。
- 熱を使う工法は施工が難しい
- 複雑な形状の場所には施工が難しい
- 熱を使う工法は危険で近隣に異臭が発生する
アスファルト防水にはシートも使用するので、基本的には平らな下地にしか施工ができません。
また、熱を使う工法では火傷の恐れがあり、高温のアスファルト材の異臭が近隣に発生するので注意が必要です。
まとめ
- FRP防水
- ウレタン防水
- シート防水
- アスファルト防水
それぞれのメリットとデメリットを理解して、施工箇所に最適な工法を選びましょう。
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